2月25日(金)社会福祉センター
1回目上映:13:30-15:40,1回目講演 15:45-16:40
2回目上映:17:50-20:00,2回目講演 20:05-21:00
映画「のさりの島」
「もしもし,ばあちゃん俺だけど・・・」
取り残された街のシャッターの向こうで二人の嘘はいつしか本当になる
天草のシャッター街商店街が舞台.「オレオレ詐欺」で老女からお金を騙し取るはずだったのに,「孫」と思い込まれてそのまま同居することに.
山本起也監督からのメッセージ
映画『のさりの島』の舞台であるシャッター商店街は、今後の社会を考える上で私たちに様々なことを教えてくれる場所です。私も静岡の商店街に生まれ、昭和の街の活気を肌で感じながら育ちました。休日はもちろん、夜も仕事を終えた人が買い物に繰り出し賑わいましたが、今は日が暮れると歩く人もまばらです。その繁栄と衰退はそのまま私の歴史でもあります。
今回のコロナが、商店街を含む個人事業種に大きなダメージを与えたことは間違いないでしょう。人を介して感染する厄介なウイルスの蔓延を防ぐには、人と人が直接会うことを制限するほかはない。その中で私たちは、オンラインという利器を手にしました。しかし、もう一つ大切なものがあるよ、と、『のさりの島』のシャッター商店街は私たちに語りかけています。
それは、人と人が会い、映画を見たり芝居を楽しんだり、あるいはその帰りにお茶を飲んだりといった豊かな街の時間を取り戻そう、ということだと思います。誤解を恐れずに言うなら、家にこもらず、街に出よう、ということ。なぜなら、私たちは、人に会いたい生き物だから。映画を鑑賞することは、スマホの画面で情報を得ることではありません、劇場への行き帰りの出来事や、人と空間を共有することまでをも含む、豊かな体験なのです。
今、天草では金子晴彦代表ら市民グループが、機材を車に積み、地域を巡回し『のさりの島』の上映を続けています。すでに十五か所、七百名近くの天草市民が巡回上映で映画を鑑賞しました。今後、この活動を天草から全国に広げていきたい。私も今年はもっと家を出て、上映活動に身を投じてみたい、と思っています。そこには、コロナ後のコミュニティの有り様のヒントが、潜んでいるような気がしてなりません。
私たちの街に映画館は無くとも、今日、この場所が映画館に変わる。そんな「映画体験」を皆様と共有するために、2月25日(金)、京都から更別に伺います。
(講演の記録はとりまとめ中です)